- 著明な強直性脊椎病変を示し、RAおよび掌蹠膿疱症に伴う
骨関節症を合併した1例
長谷川 潤(東京都都立府中病院・リウマチ膠原病科)
- 多関節に人工関節を行ったAS患者について
三井 弘(三井記念病院・整形外科)
- 慢性関節リウマチと誤診されていた早期強直性脊椎炎の1例
村田 紀和(国立大阪南病院・整形外科)
- 硬化性仙腸関節部病変とセロネガティブ骨関節炎の臨床的観察
長井 侃(市立札幌病院・整形外科)
- 診断に難渋しているseronegative spondyloarthropathyの1例
松吉 雄大(国立加古川病院・整形外科)
- 恥骨結合炎を初発症状とした大動脈炎症候群の1例
荒居 聖子(東京大学・整形外科)
〔教育講演〕
「強直性脊椎炎から多発付着部炎まで」
七川 歓次(滋賀医科大学・整形外科名誉教授)
- 慢性関節リウマチ類似の関節炎所見を呈した乾癬性関節炎の2例
山村 昌弘(岡山大学・第3内科)
- 関節破壊を伴った乾癬性関節炎の3例
松原 康秀(兵庫医科大学・整形外科)
- 乾癬性関節炎に人工関節を施行した2例
南谷 千帆(名古屋市立大学・整形外科)
- 日本人HLA-B27陽性脊椎関節炎患者および健常者における
HLA-DRおよびMICA遺伝子タイピング
土屋 尚之(東京大学・人類遺伝学教室)
- A NEW HYPOTHESIS OF HOW HLA-B27 CAUSE REACTIVE ARTHRITIS
Takashi Ikawa(大阪大学)
- HLA-B27陰性のreactive arthritius の2例
鈴木 信吾(順天堂大学・膠原病内科)
- 日本人強直性脊椎炎とHLA
今野 泰宏(東京大学・眼科)
- Behcet病関節炎およびHLA-B51陽性関節炎の検討
松本 美富士(名古屋市立大学・第2内科)
シンポジウム 「炎症性腸疾患と関節・脊椎病変」
小林 茂人(順天堂大学・膠原病内科)
野口 光徳(東北大学・第3内科)
立石 博臣(兵庫医科大学・整形外科)
桃原 茂樹(東京女史大学・膠原病リウマチ痛風センタ−)
泉山 朋政(東北労災病院・リウマチ膠原病科)
八田 和大(天理よろづ相談所病院・内科)
〔印象記〕
様々な病像を呈するASとその類縁疾患
(seronegative spondyloarthropathy)の症例報告やHLAに関する
血清学的・遺伝学的検討など、今回は内科医の発表が多く、
整形外科医が主体だったこれまでの会とはやや異なった雰囲気、
すなわち、より学術的に掘り下げられたものが(?)多かったよう
ですが、病因解明や根治療法開発は「まだ、もうしばらくは……」と
いったところです。我々患者が期待する新しい効果的な治療法に
関する演題もほとんどありませんでした。
遠い親類ではあるものの明らかに区別される疾病である慢性関節
リウマチ(RA)とASとの合併症例が報告されたり(順天堂大学
整形外科にも一人)、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクロ−ン病)と
脊椎関節炎は別のものなのか、それとも根底では同じものなのか、
はたまたどちらがどちらを合併したと考えれば良いのか……など、
それぞれの疾患の境界がますます不明瞭となってきたようです。
シンポジウムの最後に、座長が「なんだかわからなくなりましたね」
と言っていましたが、この言葉が今回の学術集会の内容を表していた
と思います。しかし、以前よりもたくさんの専門医達、特に内科医が
ASならびにその類縁疾患に興味を持つようになり(持ってくれる
ようよなり)、病因解明や根治療法開発に向かって「着々と研究が
進んでいるな」という確かな感触を持てた学会ではありました。
井上 久(順天堂大学・整形外科)
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